春秋句会

更新日:平成17年5月24日
(活動報告は、近日更新予定)


句集
句会会員 熊倉 禎男

 2001年秋句会より

水恋鳥わが林泉を訪ひ来冬近く
            哲男
 冒頭から、難しい鳥の名と漢字が出てきたが、小佐田教養教室は楽しい。水恋鳥は、水乞鳥とも書き、「アカショウビン」の別名。朱色のカワセミのような鳥が、庭の小さな林泉(「しま」と読み泉水のこと)に来た。奥様が「赤いカラス」と騒いでいるが、先生は「あれは、アカショウビンだ」と外見は落ち着きながら、「まあ、よく来てくれた」と心が騒ぐ。午前の日差しは柔らかく、冬が近い。

米沢晩秋うこぎの垣をおもいけり
            一雄
 一雄先生の旅愁は、上杉鷹山の治世と米沢の侍長屋のつましく、実用的なうこぎ(落葉低木。葉は食用、根は漢方薬)の垣根を見に遠回りさせる。静かに世を憂うる一雄先生らしい佳句である。「秋時雨柿追うカメラ濡らしけり」の旅吟も好評。

この土地のラーメン太し渡り鳥
            あたる
 あたる先生相変わらず好調。渡り鳥は晩秋の季語であるが、「この土地の」と始まると、作者が渡り鳥の身になって港町を鳥瞰しているように見える。そこに「ラーメン太し」は意表を突いてユーモラスに旅愁を表現している。他に「小春日の客に事件の匂ひあり」も物語性があり高得点。

くしゃみして我慢して待つ流星群
            八重子
 今回の流星群は印象的で、寒さに震えながら夜空を見上げ流星群の動きを待っている瞬間を表現した時事俳句。いつもは「ガラス射す冬日の先や丸き猫」のような優しい句が多い。今回は、夫君とともに句風が変わっている。

十五夜の月を家まで伴えり
            春弥
 昨年の中秋はまことに名月であった。月を気にしながら、俳句にならないかと歩いていると、既に家の門前である。十五夜の月は依然として頭上にある。その感興が自然に句となった。「二階より秋刀魚の匂ふ我が家かな」等、春弥先生相変わらず愛妻句が多かった。

すぐ変わる本屋の置場日短か
            よりこ
 本屋に行ったが、目当ての本が前の場所にない。最近は新刊本も一週間も置いていないほど目まぐるしい。おまけにこの小さな本屋の主人は、本の置場を変えるのが好きなのであろうか。「日短か」という季語との組合せが良い。本屋に低い冬の日が入り、店内が少し翳った時間を思わせる。

ひつじ田にふわと田鳧の交差せり
            禎男
 「ひつじ田」は、刈入れが終った稲の株から芽が一斉に出て枯れる、数日間の緑の鮮やかな田の光景である。田鳧(たげり)は、関東でも田や沼の縁などにいる鳥で、緑色をして妙にふんわり跳ねるのが特徴。バードウォッチャーには珍しくない。この句は、さいたま市郊外の実景。

バックナンバー(平成14年)
バックナンバー(平成12年)

活動内容
 句会は原則2ヶ月に1回、午後6時〜8時30分、当季雑詠7句、各人が選んだ句、選ばなかった句を自由に論評、合評します。初心者歓迎です(俳句の基本はお話します。後は自由な発想で作句してください)。
場所は、中村合同特許法律事務所又は協和特許法律事務所
会費2,000円、食事、飲物つき
部長
 菅野 中
問合せ先
 古川 潤一
TEL:03−3593−7291
FAX:03−3593−7298